バロックコンサート バロックは楽しい!!
ドリームコンサート2009 イベントレポート  

2009年5月6日(水)開催

バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディなど、バロック音楽はとても美しく、またとても楽しい音楽がいっぱいです。バイオリンを数年勉強すると、これらの曲にふれることができ、また合奏の楽しさも加わります。  
今回はそんな素敵なバロック音楽を、ピリオド楽器(バロック時代の様式のもの)や、手軽に楽しめるローランド製(電子楽器)のチェンバロやオルガンを使って、いろいろな曲を聴いていただきます。  
二度の文化庁芸術祭賞受賞に輝くクァルテット「古典四重奏団」や、アンサンブル「音楽三昧」(「第7回サライ大賞」受賞)で活躍する、川原千真・田崎瑞博・加久間朋子3名の演奏とお話でお楽しみ頂きます。

場所

明治大学/リバティホール

曲目

G.F.ヘンデル バイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調 A.コレッリ  “ラ・フォリア”    ほか

共演

バロック・バイオリン 川原千真
バロック・チェロ    田崎瑞博
チェンバロ/オルガン 加久間朋子



写真/武藤章
川原千真 KAWAHARA Chima バロック・バイオリン  

東京芸大及び大学院修了。読売新人演奏会出演、芸大オーケストラと共演。海野義雄、田中千香士、ガンバを平尾雅子に師事。モダンおよびバロックバイオリン奏者。「古典四重奏団」としてCD11枚をリリース、97年度村松賞受賞、99年ギリシャ公演、04年文化庁芸術祭大賞受賞、05年ドイツ公演、 07年文化庁芸術祭賞受賞。アンサンブル「音楽三昧」として、02年アメリカ公演(国際交流基金助成)、第7回「サライ大賞」CD・DVD部門賞受賞、CD7枚をリリース。バロックバイオリンによる「バッハ無伴奏全6曲」(2枚組)リリース。アンサンブル《BWV2001》メンバー。

   

写真/武藤章

田崎瑞博 TASAKI Mizuhiro バロック・チェロ  

東京芸大卒。バイオリンを桑田晶、兎束龍夫、山岡耕筰、外山滋に師事。「タブラトゥーラ」ではフィーデル、「古典四重奏団」ではチェロ、アンサンブル《BWV2001》では企画・制作とバロック・チェロを担当する。各アンサンブルからリリースされたCDは合計で30枚を超える。国際交流基金の主催や助成にて、世界各地を公演。「古典四重奏団」として97年度村松賞受賞、04年文化庁芸術祭大賞受賞、05年ドイツ公演、07年文化庁芸術祭賞受賞。アンサンブル「音楽三昧」として、第7回「サライ大賞」CD・DVD部門賞受賞。

   

写真/武藤章

加久間朋子 KAKUMA Tomoko  チェンバロ  

洗足学園大学音楽学部卒。ピアノを帆足淑子、吉野弘子、大塚成子、チェンバロを藤原寿子、鍋島元子、パーメンティアに師事。古楽研究会にて古楽奏法の研鑽。ハープを独学。96年アクアペンデンテ市(イタリア)、03年ハンブルク美術工芸博物館(ドイツ)より招聘される。03年から西東京市「こもれびホール」主催事業のチェンバロ講座の企画および講師。チェンバロ独奏および通奏低音奏者として活躍。アンサンブル「音楽三昧」として、02年アメリカ公演(国際交流基金助成)、第7回「サライ大賞」CD・DVD部門賞、CD7枚をリリース。古楽研究会代表。

 

バロック・ヴァイオリ ンと現代のバイオリンの違いの話は興味深いものだった。

ステージに、ローランド(協賛)の電子チェンバロと電子オ ルガンがセットされていた。ホール入り口にローランドの製品 展示コーナー。開演前、休憩時間には来場者が興味深く製品を 見ていた。担当者の話しによると、個人ユーザーの他、ピアノ 教室、レストラン、結婚式場などの商業施設で、電子チェンバ ロの引き合いが多いとのこと。音も素晴らしい。

「バロック音楽」と聞くと、優雅さや気品というイメージがあ る反面、少し単調で退屈かな...と思っていた。今回のイベ ントのタイトルは「バロックは楽しい!!」。楽しい? ほんと? 開演までは、正直、そんな半信半疑の気持ちだった。演奏される楽器は、バロック・バイオリン、バロック・チェロ 、それに、ローランドが開発した最新鋭デジタル技術による電子チェンバロとオルガン。

 

2、3歳の幼 児を連れた親子から、
初老の方まで幅広い年齢層。

次々とお客さんが入ってきて、まず 驚いたのは子供の多さ。それも3、4歳ぐらいの小さい子が多か った。まるで、ピアノ教室の発表会のように。会場に来られていたローランドの担当者に伺うと、ピアノ教室でバッハの曲を勉強する際、バッハの曲のイメージを掴むために電子チェンバロを使う例が増えているとのこと。考えてみたら、バロック音楽というのは決して博物館の音楽ではなく、現代の音楽の基礎 となっている、実は身近なものだったのだ。最近はリコーダーの愛好者も増えているとも聞くし。
バロック・チェロを演奏された田崎さんが、演奏の合間に、バロック音楽のことや楽器の ことについていろいろと解説をしてくれた。まず、バロック音楽はハーモニーが簡単で聞きやすい音楽であるということ。楽器の音色がまろやかで、耳に心地良かった。今回使用されたバロック・バイオリンは、倍音をたっぷりと含んだふくよかな 音色をしていた。バロック・チェロはエンドピンがなく、両足で挟んで支えるように演奏されていて、これも日頃聞く現代のチェロよりも音がおとなしく、情感が迸るという感じではなく 、陰影感に富んだ落ち着いた音色をしていた。バロック音楽は 曲の難易度がさほど高くなく、手軽にアンサンブルできるところも魅力であると、田崎さんがおっしゃっていた。バロックは 、聞くだけでなく、バイオリンやビオラの愛好者が気軽にア ンサンブルを楽しめる音楽でもあるのだ。

演奏曲はアンコールを含めて9曲。

三重奏だけでなく、チェ ンバロ、バイオリン、チェロの各独奏曲も。

プログラムは、ヘンデル、パッヘルベル、バッハなどのバロックを代表する作曲家の作品が演奏された。アンサンブルもあれば、それぞれの楽器の独奏もあって、とても充実した内容だっ た。バロック音楽に“癒し”というキーワードを当てはめるの は、もはやありきたりな感じがする。聞き終わってみて、今回の「バロックは楽しい!」というタイトルに共感できた。「これは楽しい!」と素直に思えた。
モーツァルトやショパンを弾きこなせるようになるのはなかなか大変だけども、バロック音楽の敷居は実は意外と低くて、自分で演奏して楽しめる音楽であることがわかった。
アンサンブルで、お互いの音をさまざまな形に、立体パズルのように組み合わせていく楽しさが、バロ ック音楽にはあると思えた。また、バロック音楽はシンプルで もあるので、今の時代にはよく合っているのかも。
疲れた心を 癒すだけじゃなく、バロック音楽を自分のライフスタイルに積極的に取り入れる生き方。そんな特集が雑誌やテレビであっても不思議ではないように思えてきた。バロック音楽に対する認識をガラリと変えてくれた、とても有意義なコンサートだった 。楽しいだけじゃなく、これからは「バロックはおしゃれ!」 、「バロックはクール!」とも呼んでみたい。

 

 

イベントの様子

 

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